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2010年8月 5日 (木)

成城石井の大久保社長の講演を聴いてきました。

成城石井さんと言えば、高級スーパーというイメージのある食品スーパーですが、この大久保社長の講演を聴いてそれは間違いだということに気がつきました。

安売り競争とは一線を画す独自路線をとっているのでそんなイメージなのでしょうが、もっと奥が深かったです。

成城石井さんは、スーパー業界が軒並み調子が悪いといわれている中で、増収増益です。

しかし大久保社長は売上を上げろとか利益を出せとか言わない経営なんですね。

そこがまず違うところです。

大久保社長はテレビ東京のカンブリア宮殿などにも出演されていて、もはや有名な方ですがあらためて間近に見てもすばらしい人格者だなと思いました。

ちっとも偉ぶらないし、自慢もないし、何よりもわかりやすいです。

なにしろ成城石井の社長でありながら、小売業のコンサルタントでもあるわけですから。

多くのことを話されましたが、ポイントはいくつかあります。

まず第一にマネジメントのレベルは、経営者が考えていることが現場でどれだけ実行されているかでわかる。ということです。

大久保社長曰くは、セブンイレブンが、他のコンビニエンスよりも日販額が10万円ほど高いのは、各FC店に本部の方針を徹底的に伝えて実行させているからだそうです。

そのためにフィールドカウンセラー1人が10店しか担当させず、しかも毎週全国から本部に呼び集めて会議を行い、また散って各店に徹底させる力です。

本部が出す指示はおおむね正しいし、どの本部も大体同じことを言っている。つまりやったかやらないかの差でしかないということです。とても耳が痛いです。

私がコンサルティングをしている段階でも、きちんと実行される会社は伸びていきますが、そうでない会社はやはり伸び方のペースがゆっくりか横ばいです。

そもそも自分の事業そのものもどこまで徹底してできているかを考えるとまさに自戒をしなければなりません。

そのためには、「こういうことをしようよ」と言ったら受け手の側が、「ぜひそうしよう」と思って実行しなければなりません。聞き手が主体になるわけです。

そこで言いたいことを全部言うのではなくて、重点化して伝えるそうです。

この点は現場について難しいことはやらないし、そんなにレベルが高いわけではないとおっしゃっていました。10のことを言ってみんなやらないよりも、3つのことを言って確実にやってもらった方がはるかに効果が出るとおっしゃっていました。

パレートの法則、あるいは2:8の法則ですね。

成城石井さんの場合現場で3つのこととは、1.挨拶、2.品切れを起こさない、3.クリンリネスだそうです。

特に挨拶を強調されていました。即効性はないけれど、これが出来ていないと何にも始まらないとのこと。前任のドラッグイレブンの社長就任時も、皆挨拶ができなかったので徹底したら、まずクレームが半減したそうです。

また本部の指示も精緻なものではなくて、シンプルでわかりやすいものにしているそうです。

さらに伝えるためのスーパーバイザー(セブンイレブンで言えばフィールドカウンセラー)は社長に就任すると大幅に増やすそうです。ドラッグイレブンのときも就任時7名しかいなかったのを一挙に20名にしました。これは一人当り30店では巡回して徹底しきれないからだそうです。

新商品の開発や仕入も興味深いものでした。

どんどん失敗しろと言っているそうです。小売業の場合はたとえ失敗しても損しない程度に見切り販売をすれば、損失はそんなに出ない。トライしない方がダメだとおっしゃっていました。

成城石井さんのお客様は固定で8割。そこに安売りを仕掛けたって需要の先食いなだけで不毛な争いになるだけ。

それだったら、成城石井が自信を持ってお奨めできる新商品を仕入れる、あるいは開発して、それを店頭で目立つように展示し、POPも大きく書き、さらに店員がきちんと推奨するということをすれば絶対に売れるし、利益率も良いそうです。

お客様の評価は、「デパートだったらこんな値段で買えないものをずいぶん安いわね。」だそうです。したがって大久保社長はわが社は高級スーパーではないとおっしゃっていました。

全国のいや、全世界の新しくおいしいものを求めてバイヤーさんは駆け回っているそうです。ワインも産地の奥深いあまり大きくないしかしとてもおいしいワイナリーを見つけてそこから直接定温で輸入しているそうです。だから安くておいしいそうです。

大久保社長はもうすぐ退任されるそうです。

その理由を日経トップリーダーの高柳編集長が聞いていましたが、大久保社長曰くは」ミスター成城石井といわれている若手が育っているのでそこにバトンタッチするのが当然です」とおっしゃっていました。

なによりも私が感じたのは、冒頭にも申し上げましたが論理立って、しかもやさしい語り口で、相手にきちんとわからせるコミュニケーション能力の高さでした。

見習わなくてはなりませんね。

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