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2010年5月 6日 (木)

日経トップリーダー2周年記念セミナー~旭山動物園 小菅前園長編~

大型連休は北海道の実家に帰りました。

せっかく行きましたので、北海道を旅行することになりました。

道中うまいぐあいに旭山動物園に行くことができました。実は日経トップリーダーの2周年セミナーで小菅前園長が講演されていまして、その内容を踏まえて実際の行動展示なんかを見ることができたのです。

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旭山動物園がなぜ復活を遂げたのかの理由が小菅氏の講演でわかりました。ちょっと長くなりますが、小菅氏から聞いたことを書くことにします。

そもそも小菅氏が係長に昇進するまで、旭山動物園が危機的な状況だという意識はなかったそうです。むしろ世界初の繁殖をたくさんやっていて誉められるのかと思いきや、有料入園者数が右肩下がりで減少していて市からの補助金も限界に来たので廃止という噂を聞いてびっくりしたというのが真相だそうです。

そこでまず行なったのが、なぜ動物園に来ないのかを徹底的に来たお客に聞いたことでした。それもアンケート調査なんてものではなくて、職員がひとりひとりが入口に立ってお客様から聞きだしたのです。動物園は面白くない!なぜか?という観点です。

答えの1つは「動かないから」だそうです。クマは寝ているだけ、キリンは立っているだけ、小鳥は浮かんでいるだけじゃないかというわけです。

2つめは、「見てるだけ」で面白くないということです。お世話をしたり、抱っこしたり、えさをあげたりしたいということですね。

3つめは「いつも同じ」ではないかということです。実はよく調べてみると、来る時期が毎年同じという人が結構いるそうです。それは家族の休みの都合などからどうしてもその時期になってしまうのです。

そして最後の理由が私は「子どもではない」です。ライオン知ってるよ、キリン常識じゃん、知らない動物なんていないというのが理由です。ではキリンの角は何本あるでしょうか?…2本…不正解です。もっとたくさんあるんですね。5本から7本あるんです。

このように知っているようで知らないことがたくさんあることがわかったので動物をもっと伝えようという発想になったそうです。そこで読まれるための手書きの看板を作ったり、動いているのがみたければ活動的な夜に見せたり、ワンポイントガイドといって飼育員が顧客に直接説明したりという努力をしていって徐々に有料入場者が増えて行きました。

その中で人前に立ってしゃべるのが大嫌いな飼育員がいました。彼は最初のワンポイントガイドの1週間前から、奥さんを通じてお腹が痛いだの、下痢だのと言ってきて、当日朝も下痢が止まらないので休みたいと小菅氏に訴えてきたそうです。そこで小菅氏は、「わかった、ワンポイントガイドの30分だけやったら帰ってよし」と伝えて無理やりやらせたそうです。彼はぶっ倒れそうになりながら説明していると、見ていた観客が説明はともかく倒れないか心配でずっと見ているという状態でした。そこで彼は考えて、自分が説明するよりも動物に動いてもらった方がよほどわかりやすいし、面白い。ということで手長猿が移動することを考え出したとのことです。

旭山動物園はこのようなことからきっかけで行動展示ということに力を入れています。行動展示とは、あざらしであれば、あざらしの顔が間近にみえるようにしたり、手長猿でいえば、移動できるようにしたり、きりんであれば、食べるときに首の長さが実感できるようにえさ台を観客のそばに置いてぐっと乗り出して食べられるようにしたりというようにそれぞれの動物の生態がわかるようにしていることです。

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さらに市民を味方につけようという作戦も取りました。親子動物教室を開催したり、クイズ大会、絵本の読み聞かせ会を行なったり、市民ボランティアで手伝ってもらったりして、市民のものであるということをしっかり意識づけることに成功しています。

今では映画になるほどですが、実際に見てみてなるほどと思うことがたくさんありました。なぜ今のような状態になっているのだろうかということを真摯にお客様に聞いてその原因を探り出し、でもその原因を解消するのは、お客の不満そのものに答えるだけではなくて、それを上回るアイデアを考え出したことがこの話しの良いところでしょう。

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