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2006年7月 6日 (木)

東京国際ブックフェアの藤原正彦氏の基調講演を聴いてきました

今東京ビックサイトで、主催者曰く世界最大の東京国際ブックフェアが開催されています。

http://www.reedexpo.co.jp/tibf/

一応私も著者なので行って来ました。でも最大の目的は大ベストセラーの『国家の品格』を書いた藤原正彦氏が講演するというのでそれを聴くためです。私も読みました。斬新な切り口でズバっと切って爽快感がありますね。

P1000075

この基調講演は有料です。4000円でした。会場は満員。約1000人の座席いっぱいです。

最初のつかみは、「こういうところへ出るのを家族は反対している。なぜなら『国家の品格』という本を書いた人間が一番品格がないということがバレるから」という笑いを取るところから始まりました。

続けて「女房は<あなたの顔をじっと見ていると気持ち悪くなる。>といわれているのでじっと見ないで下さい」といってまたまた笑いを取りました。

前半は『国家の品格』でも書いていた今の改革は改悪だということを約50分近くにわたって最近の事象を踏まえてぶった切りまくりでした。

特に「アホか」と激怒していらっしゃったのは、初等教育における英語教育必修化です。

藤原先生曰くは日本の国力の源泉は初等、中等教育がダントツであったからなのに、これを減じるようなやり方はけしからんということです。

さらに英語教育をしたからといって国際人になれるわけではないと言っていました。それが証拠に英語の能力テストをすれば、フィリッピン、インド、スリランカが上位を占めるけれど、そこが必ずしも世界一ではないし、もっと言えば一番大元のイギリスだって20世紀においては、長期低落傾向だったではないかと指摘。

私がなーるほどと思ったのは、「小学生は1週間に授業として受けられるのは27時間しかない」ということでした。つまり英語なんて入れる隙間はないということです。

同様にパソコンもないし、ましてや株や為替の話しもない。そんなことを考えるぐらいなら一にも二にも「国語力」を付けるべきだという主張でした。

国語の意味としては4つ挙げていらっしゃいました。

ひとつ目は、国語は「知的活動の基礎である」です。数学は科学的活動の基礎だけれどその前に国語があるということです。

その例示として、(1)言語とは思考である。(だから高校生が100語から200語ぐらいでしか会話していないのはとっても心配) (2)言語とは情緒である。(恋愛についての語彙は、1000以上ある) (3)言語は生理である。(日本に来たアメリカ人が肩こりを知らなかったのに、言葉を理解した瞬間に肩こりになった) (4)知的活動とは語彙の獲得である。とおっしゃっていました。

語彙の半分以上は漢字です。よってまだ力が弱いうちに、素直なうちに、漢字を小学校の低学年から叩き込めと主張。

語彙がたくさん獲得されれば、自ら本に手を伸ばすようになる。読書こそが教養を高めるのだとおっしゃっていました。

教養とは何ぞやについては、大局観や長期的視野を持つ為に必要なものだそうです。戦略を立てるのに、近視眼的なものだけではなくて、文学、思想、歴史、芸術をきちんと身に付けてこそリーダーになれるそうです。

国語の教育の意味の大きな2番目としては「論理的思考を育てる」です。例示としては分数の計算すらできないアメリカ人でも論理的な力はすばらしいそうです。日本人はそこが弱いとのこと。

大きな3番目は、「情緒を養う」です。論理の最初の出発点を選ぶのはあくまでも仮説。その仮説を選ぶ能力が情緒とのことでした。

情緒は喜怒哀楽のような単純なものではなく、他人の悲しみを悲しめる、惻隠の情、望郷の念などの高次の情緒だとおっしゃっていました。

大きな4番目としては「祖国とは国語である」です。日本民族だって、いろんな血が混ざっているのだから民族=血ではない。領土でもない。たとえどこかの国に占領されたとしても国語が有る限りその民族は滅びないといっていました。

最後の締めとして、この国語を基にした教育改革によって、日本モデルとして世界が真似をしてそれが広まって素晴らしい世界ができるはずで終りました。

前半の行われていることのぶった切りが少々長い感じでしたが、全体としてはわかりやすく主張は明快に伝わりました。きっと例示が豊富だからでしょうね。一理三例といって、「ひとつの理屈を言うときは3つぐらいの例示をしないと人は理解しない」ということを昔習いました。

まさにそのことを実践されていました。だって1時間半言葉だけの力で1000人を引っ張るのですからね。

ところでこれが開かれたのは国際会議場です。室温がとても寒くて、設定の仕方を間違えているのではと思いました。このクールビズの時代になんてことだ。

もうひとつは、隣に座った人が(おじいさんですが)講演中に、かばんを開けたり締めたり、あるいはパンフレットを広げて見たり、しまったり、ともかく落ち着かずで気になりました。

さてその後ブックフェアへも行ったのですが、ブックフェアの方は正直言いましてあまり面白くありませんでした。単なる展示即売会みたいになっていて、しかも話題の本はほとんどなく、在庫で余っているようなものを展示で売ろうという姿勢はどうかなと思います。

もちろん話題の本も展示してあるのですが、それは定価で販売、あるいは販売しないというものです。もともと本屋さん向けの展示会なのにだんだん消費者主体に変節していて、さらにそれならそれで徹底すれば良いのにそうでもないという中途半端な状態だから面白くないのだと思います。

正直こちらはがっかりしました。

ところが同時開催の国際文具・紙製品展(ISOT)はとっても面白かったです。これについてはまたの機会に。こちらはこれからきっとヒットするぞーという商品が目白押しでした。

やはりモノとして創っている方がわかりやすいですね。また展示もプロモーション的に面白い取り組みが各ブースに見られて参考になりました。これもまたの機会に。単にモノを展示して、説明員が立って売り込むではダメですね。ただし参考になるブースはやはり大企業のものでしたけれど。

☆ヒットする新商品・サービス開発のポイント(今日は講演と展示会2つの観点で)
(1)何か主張をするときは、身近な事例を豊富に例示してわからせる。<講演>
(2)つかみはやはり「笑い」<講演>
(3)展示会はターゲットをはっきりさせる。
(4)展示会は興味を引く仕掛が必要。
 (→これについてはISOTの項で)
(学び)すべての基礎は国語の力だ。 (→まあ私のこの拙い文章もそう言えばそうですものね。)

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